北村ヂン on Twitter: "一世帯に二枚のマスク #贋作 #○○風に時事ネタを振り返ろう… "
洗濯して繰り返し使える布マスクを全世帯に2枚ずつ配る
4月1日の安倍首相の表明を受け、ニュースやSNSで著名人を始めとして、批判が殺到してます。
私は最初、Twitterでその事を知ったのですが、批判ツイートがすごいことすごいこと。
後からニュース記事を見てみると、布マスクはむしろ危ない!というような事が書かれた記事もありました。
何故、普通のマスクではなくて、布マスクなのだろう?
布マスクって危険なの??
という、純粋な疑問が生まれたので、調べてみました。
布マスク配布政策の目的って何だろう?
布マスク配布政策は勝手に命名しました(笑)
さて、今回発表された動きというのは、
「全国で5000万あまりの世帯すべてを対象に日本郵政の全住所の配送システムを活用し、1住所あたり2枚ずつ配布することといたしました」
というものです。
肝心の目的は?ということなのですが、
いくつかのニュース記事を読んでみたところ、結構バラバラに表記されていました(*_*;
大きく上げて2つ。
- コロナ感染拡大防止として
- マスク需要の急増に対する対応として
1つ目はそのまんまの意味ですね。コロナ感染をこれ以上広げないための対策案。
2つ目は現状のマスク不足と今後を見据えての対策案。
これ、、全然意味違ってくるやつじゃん!
リサーチした所、
実際に安倍首相が発言したことをそのまま引用している記事がありました。(後に、動画で確認しました。)
「本日は私も着けておりますが、この布マスクは使い捨てではなく洗剤を使って洗うことで、再利用可能であることから、急激に拡大しているマスク需要に対応する上で極めて有効だと考えております」
この発言のみで考えると、目的は2つ目のマスクの需要急増に対する対応、と捉えることができます。
もちろん、マスク不足に対する対応をすることで、感染を確認されていない且つマスク不足によりマスクが着用できていない無症状感染者もマスクを着用できるので、結果的にはコロナ感染拡大防止ともいえなくはないですが、少し飛躍しすぎた言い方ではないかな、と感じます。
また、後日のニュース記事では、
安倍首相、並びに菅官房長官が「少しでも国民の不安解消に取り組んでいきたい」という発言をしておられます。
この不安解消というのは、今回に置いては、品薄状態が続いているマスクのことを指しているかと思います。
マスクを巡っての問題は、
マスクの買い占め、高額転売、マスクが買えない人がそれらをみてストレスを抱える、そのストレスがドラッグストア店員さんに向いてしまう…
などなど、が前々からみられてきました。
この点を踏まえて改めて考えると、
国民の不安やストレスの原因の1つとして、マスク不足は大きいと思います。
そのため、この政策により、「国民の不安の解消」は十分に見込めるのではないか、と私は思います。
これにより、不安やストレスにより低下していた免疫力は、ある程度は持ち直すことにも繋がり、それにより感染率も下がるかもしれません。
もちろん、不安の原因はマスク以外にも沢山ありますが。
使い捨てのマスクだと、結局一時凌ぎにしかならないので、繰り返し使用できる布マスクは有効でもありますね。
ちなみに、
経済対策として布マスクを配布する。
と誤認識している方が沢山いらっしゃいます。
正しくは、経済対策にマスク配布の費用を盛り込む、とのことです。
ここまでだと、めちゃめちゃ安倍政権賛成派の人って感じですね(笑)
私は右でも左でもなく、中立ですよ!!
あくまで、
マスクの需要拡大の抑制を目的と考えた場合、この政策は有効である、
に過ぎません!!
続いて、
科学的観点から見た時、布マスクの配布により、コロナ感染拡大防止はできるのか?
を以下に書いていきます。
布マスクの危うさって何だろう?
このニュース記事では、布マスクは有効なのか?という指摘が書かれています。
私が注目したのは、以下の箇所です。
5年前に英国の医学誌に発表された論文では、1607人の医療従事者を、医療用マスクをつける人、布マスクをつける人、マスクをつけたり外したりする人にわけて感染リスクを比べたところ、布マスクをつけた人がもっとも呼吸器疾患やインフルエンザ症状を示した人が多かったという。
マスクをつけたり外したりする人よりも、布マスクをつける人の方が感染リスクが高いという点は、非常に興味深いもので、
これはつまり、布マスクを配布する政策はよろしくない、ということになります。
ただし、この記事では、論文を非常に簡略化して記しているため、
感染リスクの差はどれくらいなのかという結果や、
なぜそのようなことが起こるのかという考察の部分が一切書かれていないため、
情報の信頼度は少し頼りないです。
ということで、この論文を実際に読んでみました!
英語ばっかりなので、Google先生を大いに頼らせて頂きました(笑)
訳間違ってたらごめんなさいm(_ _)m
最初に取り上げた記事では、イギリスの医学誌で発表された論文と書いてありますが、実際は、ベトナムのハノイにある14の病院で行われた実験です。
対象となったのは、ハイリスク病棟にてフルタイムで働く1607人の医療従事者。
この中から、ランダムに医療マスクをつける人、布マスクをつける人、対象群の3グループに分けて業務にあたってもらい、これを4週間続けました。
「A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers.」(PMID: 25903751)より
実験の結果は下のグラフになります。
「A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers.」(PMID: 25903751)より
CRI:臨床呼吸器疾患、Virus:ウイルス感染、ILI:インフルエンザのことです。
グラフをみると、どの項目を見ても、布マスクをつけているグループが最も感染しているということがわかります。
また、結果にはこれに加え、粒子の通過率は布マスクは97%、医療マスクは44%であるということも記されていました。
結論では、
- 布マスクは、保湿、再利用、ろ過不良の点で、感染リスクを高める可能性があるため、世界的に布マスクを普及するにはさらなる研究を必要とする。
- 予防策として、特に感染リスクが高い状況では、布マスクは推奨しない。
ということが述べられています。
私は、感染予防のためには、保湿が必要!となんとなく思っていたので、この結果は意外でした。
また、今回医療従事者が布マスクを使用しても、ウイルスを防ぐことはできませんでした。
そのため、一般の方が布マスクを利用するにあたって、特に再利用(洗濯)の点でさらに感染リスクが高くなってしまうのでは、と不安があります。
この、感染リスクの点を考えると、
布マスク配布政策は非常に恐ろしいものです。
この点について、政府は果たしてどう考えているのか。。
この5年前の論文を踏まえてさらに研究が進んでおり、スペシャルな布マスクになっているなら安心なんですけどね…(笑)
最後に
ここまで読んで下さりありがとうございました!
調べてみて、政策の目的を知ることは非常に重要だ、と強く感じました。
目的を正しく認識して、意見を述べないと全然的外れになってしまいかねないんだな、と思いました。
マスクが配布され、マスクによる不安やストレスが解消される人々が多くいるのは確か。
しかし、感染リスクを考えたらこれって意味ないじゃん!ともなります。
これを受け、私はどういう構え方をしようか…これは、また少しずつ考えていこうと思います。
最近では、マスコミも偏った報道が顕著に現れています。
ニュースを1つ読んだ!正しい情報を身に着けた!えらい!
という昔の感覚は、今では非常に危ういものとなってます。
如何に沢山情報を浴び、如何に精査していくか、
また、疑問に思った点は自ら調べて整合性を図ることが重要となります。
SNSで著名人が言ってた。バズってたから。も非常に危険です!
と偉そうに書いてますが、私自身ニュースを毎日チェックし始めたのは今年に入ってからです。今までは、恥ずかしながら、ニュース?なにそれ?美味しいの??状態でした。
調べるとか面倒臭い!と思ってたけど、デマも沢山流れてるしどうしよう…
という方は、少しずつでいいから、気付いた時にいろいろな情報に触れていけば、良いかと思います。